~境界線~君だけの声が聞きたくて
さすがに先輩ラッシュは終わったが、後期の目や渦巻いた女の人の感情に気分が落ち、保健室に行く事にした。
「ゆず~、眠いから午後の授業保健室行くわ」
「ん、行ってらっしゃい。」
1年の後期くらいから保健室は行きつけの場所になっていた。
だからかすっなり保健室の先生とは仲良くなっていた。
「先生~、気分悪い」
「あら、大丈夫?」
荒井先生はどちらかと言うとふくよかな体型で、優しい。
いつものベッドに行きカーテンを開けると、何だか膨らんでるような気がしたが、特に気にせず布団をめくった。
「……っ!先生!!誰か居るっ!!」
布団を捲ると、そこには男子生徒が既に寝ていた。
「あっ、いつものベッド先客が居るから隣の使ってね~」
「遅いからっ!」
“あはは、ごめんごめん。”と言って笑う先生を見て、この人もハル先輩も能天気だと思った。
「ねぇ…うるさいんだけど。」
2人してベッドに目を向けると、そこにはレオの友達らしき人物が居た。
「あっ、この前の…」
「何また気持ち悪いの?」
なんだか寝て居たところを起こしてしまい、申し訳ない気持ちと、責められてるような気がして視線を下に向ける。
「まぁ僕には関係ないけど。」
聞いといて、興味なさそうに言った黒髪君に、
「あの…この前はありがとう。」
「……別に」
一応お礼を言ったがやはり興味なさげに答えられた。