~境界線~君だけの声が聞きたくて
行事事は嫉妬事
私たちの学校は真夏日がやっと終わったくらいに体育祭がある。
そしてその一ヶ月後くらいには、文化祭があるのだ。
普通だったらもっと離れているのに、やけに近いと思う。
練習はほぼナシで、体育祭まで後3日をきった。
あの夢を見てからどことなく不安が胸を押し寄せ、時々苦しくなる。
それでも弱音は吐けないけど。
「ハル先輩、今年もアンカーだって!」
「へぇー、またなんだ」
驚くゆずとは反対に、たいして興味のない返事をする私。
ちなみにレオもクラスのアンカーでバレない程度に応援するつもり。
レオの走る姿なんて久しぶりだから、きっと見たら余計に好きになってしまうと思う、
死んでも本人には言ってあげないけど。
今日も保健室に寝に行こうと思ってたけど、たまたま次の授業が相楽先生だったので、やめた。
“相楽センセかっこいい~!"
と手紙を回してきたゆず。
お前には剛ちゃんがいるだろっ!
と思いながらもちゃんと返事を書く。
ふとゆずを見るとある一点を見つめていた。何を考えてるか分からなかったけど、確かにその先には相楽先生が居た。
きっとかっこよくて見とれていたんだろうと思っていた。
ーーーいつだって私はそう、
肝心なことは何一つ分かってない。
自分の事で精一杯で
余裕なんてどこにもなくて
そのくせ1人で勝手に落ち込んで
ーーー大事なことを見落としている。