~境界線~君だけの声が聞きたくて


ただいま保健室に向かい中




ゆずに「今日は行かないでハル先輩のリレー見るんじゃなかったの?!」と驚かれたが、もちろんリレーは見るつもりだけど……





保健室に行かないとは言ってないもん。
それにリレー午後からだし、





ーーーコンコン




「失礼します。先生ー、ベッドー」




あれ?返事がない…居ないのかなぁ




「………何、また来たの?」




ダルそうに呟く黒髪くん
むしろそれ私のセリフなんだけど。




だって先に保健室使ってたの私だし、最近はレオが入学して体調が良かっただけで、ここは私の場所だぁーっ!と叫びたかった。




こんな事先生に相談したら、
保健室はみんなの場所ですー
とか言われそう…。





「なんか黒髪くんって、私が行くといつも居ない?」



「はっ、自意識過剰なの?僕が行くとお前が来るんでしょ。」




ちょっと嫌味っぽく言ったつもりが、言い返されてしまった。





「はぁ?!自意識過剰って…そっちがじゃないっ」




「何で僕が自意識過剰になる訳。思考回路おかしいんじゃない?それにホントの事言ったまでだし」




「あのねぇ!…っ」





いいかけた時に貧血でか、よく分からないけれど、クラクラして前に落下していく。




ーーーヤバイ!ぶつかるっ!!




ぐっと目を閉じた時フワリと柔らかいいい匂いがした。



目の前には黒髪くんが居て、レオとは違う香りに、少し戸惑った。





「…っ、ごめんなさい!」


「アンタってさ、見かけ通り弱そうだよね」




“それに軽いし”と言って担がれてベッドに投げられた。



ちょっとは丁寧に扱えよ!




「ありがとう、でも悪いけど別にそんなか弱くないから。」



「か弱くない…ね。ハル先輩には気をつけた方がいいんじゃない?まぁ僕には関係ないけど。」



なぜにハル先輩?と思ったけど、とりあえず貧血でクラクラするので、寝ることにした。




目を閉じると直ぐに眠りに落ちたーーー
< 26 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop