~境界線~君だけの声が聞きたくて
ただいま保健室に向かい中
ゆずに「今日は行かないでハル先輩のリレー見るんじゃなかったの?!」と驚かれたが、もちろんリレーは見るつもりだけど……
保健室に行かないとは言ってないもん。
それにリレー午後からだし、
ーーーコンコン
「失礼します。先生ー、ベッドー」
あれ?返事がない…居ないのかなぁ
「………何、また来たの?」
ダルそうに呟く黒髪くん
むしろそれ私のセリフなんだけど。
だって先に保健室使ってたの私だし、最近はレオが入学して体調が良かっただけで、ここは私の場所だぁーっ!と叫びたかった。
こんな事先生に相談したら、
保健室はみんなの場所ですー
とか言われそう…。
「なんか黒髪くんって、私が行くといつも居ない?」
「はっ、自意識過剰なの?僕が行くとお前が来るんでしょ。」
ちょっと嫌味っぽく言ったつもりが、言い返されてしまった。
「はぁ?!自意識過剰って…そっちがじゃないっ」
「何で僕が自意識過剰になる訳。思考回路おかしいんじゃない?それにホントの事言ったまでだし」
「あのねぇ!…っ」
いいかけた時に貧血でか、よく分からないけれど、クラクラして前に落下していく。
ーーーヤバイ!ぶつかるっ!!
ぐっと目を閉じた時フワリと柔らかいいい匂いがした。
目の前には黒髪くんが居て、レオとは違う香りに、少し戸惑った。
「…っ、ごめんなさい!」
「アンタってさ、見かけ通り弱そうだよね」
“それに軽いし”と言って担がれてベッドに投げられた。
ちょっとは丁寧に扱えよ!
「ありがとう、でも悪いけど別にそんなか弱くないから。」
「か弱くない…ね。ハル先輩には気をつけた方がいいんじゃない?まぁ僕には関係ないけど。」
なぜにハル先輩?と思ったけど、とりあえず貧血でクラクラするので、寝ることにした。
目を閉じると直ぐに眠りに落ちたーーー