~境界線~君だけの声が聞きたくて



「…ん、…?」




暑さで目が覚め、携帯を見ると既に午後になっていた。



マズイっ!リレーだ!



慌ててベッドから降りようとしたら保健室のドアかわ開いた。




「ーーーやっぱりここに居た」




私を抱き寄せて可愛い事をいっちゃうレオ。





「リレーで1位取れるようにいつものして。」



「いいよ」





ーーーちゅ





いつものとは毎年リレーの前に1位になれるようにとのおまじないの事。




高校生になってもまさかやるハメになるとは思っていなくて、ちょっと恥ずかしかった。





「………全然足りねぇ」




ニヤッと笑うと深いキスをされたのは言うまでもない。











「ゆずっ!リレーまだだよね?」



「おかえり~、ちょうど今からだよ!」




良かった間にあったみたい
この為に今日は来たんだからね。




最初のリレーは1年からで音が合図のように一斉に走り出す。





レオの組の子はどんどん抜かして、余裕で1位だったが、1人が転んでしまって他の組とどんどん差が開いてく。




ーーーあっ、レオだ!!!




最後はアンカーのレオに渡され、レオの何人か前の人たちが頑張ってくれたおかげで差が縮んできたのだ。




そのためスタートダッシュが他とあまり変わらないレオは、どんどんと抜かしていく。




みんなの歓声が頭に流れてきてうるさい。

でもそれは嫌な感情達ではなく、みんな応援している声だった。




ゴールに近づきあとちょっとで2位をぬかせそう。






「レオーーーっ!!!」




分かってる


こんな大勢の中からでは


私の声は届かない。

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