~境界線~君だけの声が聞きたくて
一言で言うと、私たちは歪んでいる。
そんなの分かっているけど、抱き寄せて欲しい。この歪んだ身体を。埋めるのは貴方しかいないと。
周りの人間なんてどうでもいい。
ただレオが、私のしている事が、レオを歪ませているのがいいのかなぁってたまに思う。
きっとレオは私の為ならどこまでも堕ちていくだろう…
ホントにそれでいいのかな?
私が彼を苦しめていいのかな?
ずっとこのままの関係でいいのかな?
ーーーー良い訳ない。
良い訳がないのだ。
もっともっと先の事を考えたら、私とレオは結婚もできないし、このまま続いたって誰からも祝福されない。
下手すると家庭崩壊だってあり得る。
せっかくやっと落ち着いたのにお母さんに大変な思いはさせたくなかった。
そんな私の考えなんかお構いなしに、行為は進んでいく。
いつもより焦りがあるレオを見て。
ーーーレオも不安なんだと、始めてきがついた。
あのレオが不安がるなんて滅多にない。
中学生の時、レオと距離を開けようと言った時くらいだ。
あの時は互いに今よりも依存していたし、以外にもレオが嫌だ絶対離れないと泣いて私を抱きしめたんだ。
その時は思ったの、
ーーーあぁ離れられない。って。
「み、づき…」
私の上で、切なそうに呟いたレオの顔は…今にも泣き出してしまいそうだった。
私よりも大きいその身体を手繰り寄せて、ギュッと抱きしめる。