~境界線~君だけの声が聞きたくて
「……き、…好き、好きよレオ。」
「………っ!」
「…だから安心して?」
せめて今日だけはーーー…
安心したのか、疲れたのか、レオは私のベッドでそのまま寝てしまった。
朝起きて見ると…
レオの頬には一筋の痕が出来ていた。
普段私の前では絶対涙を見せないレオ。
こうやって私の知らない所で涙を零すのだろうか…
そう想うと心が痛んだ。
「レオ…起きて。学校間に合わなくなっちゃうよ」
ゆさゆさと揺さぶれば、ん~なんて言いながらノロノロと起き上がってくる。
レオが部屋に戻ったのを確認して、私も制服へと腕を通す。
下に降りるといつも通りのお母さんと朝食があって、
いつも通りの教室に、いつも通りの授業
。
毎日がマンネリ化していてつまらないって言う人も居るかもしれないけれど、このまま“いつも通り”で終わって欲しかった。