~境界線~君だけの声が聞きたくて
こうして私達の関係はあっけなく終わったーー……
だって、仕方ないじゃない。
こうする以外考えつかなかったんだもん。
レオはきっと知らない
私達が本当のキョウダイである事を。
だから、いいんだ。
これで良かったんだよ。
まるで自分に言い聞かせるように繰り返した。
「………美月チャン?」
あぁ。この人はどうして。
どうしてこういう時に限っているんだろう。
そこに居たのは雨が降って来て、帰ったはずのハル先輩だった。
何してるの?と聞かれ
「雨を………見てたんです。」
一瞬振り返ったけどまた窓の外を見つめて答える。
隣にハル先輩が来て、空を見つめた。
一瞬ブルっと震えたその体びしょ濡れだった。
「ハル先輩、風邪引きますよ?」
私はカバンから出したタオルを隣に渡しそれでもなお雨を見つめ続ける。
「あ、さっきまで外にいたからさ。いやぁ~助かっちゃうなぁ。まぁ、美月チャンが暖めてくれても」
ふざけた事を言いながら私を覗き込んだハル先輩はそこで言葉をやめた。
私が泣いていたからーー……