シスコン総長VS溺愛総長!? 1R
どうして、自分がしたこともわかんないんだろう。
ナオが怒ってるのは、十中八九あたしのせいなのに。
でも、どう考えたって答えが出るはずもない。
だけど、聞けることなんてできない‥‥
引きずられるようにして、外に着いたとき日はすっかり暮れてしまっていた。
薄暗い外を、ただ無言で歩く私たち。
何かを伝えたいとき、あたしはいつだって握られてる手に力を込めていた。
そうすれば、ナオは気づいてくれてたから。
だけど、今日は手は繋がれていない。
今日のナオは、どうやらあたしの意見を聞いてくれる気はないらしい。
掴まれている腕がそれを語っていた。
それでも、聞いてほしくてあたしは勇気を出してその名を呼んだ。
頭上を飛んでいくカラスの声に負けないように、大きな声で。