シスコン総長VS溺愛総長!? 1R
微かに、あたしの肩が震えてきたのだ。


ナオの視線が、あたしの肩を捉えた。


そして、数秒見つめた後。


「何も、もう起きないから。今思ってること、素直に吐き出しな」


ふわり、視界が暗くなりナオの香水の匂いがした。


優しく笑いながら、あたしの頭に手を回しながら抱きしめる。


何か細い糸が切れたように、あたしの瞳から温かいものが流れ出した。


ぽんぽん、と頭を撫でる仕草は小さいころから変わらない。


「こわ‥‥怖かったよっ‥‥」


だけど、この涙は


この言葉の最初に付く言葉は


「うん。わかってる。もう、大丈夫だよ」


違うの、違うんだよ‥‥ナオ


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