シスコン総長VS溺愛総長!? 1R
怖かったのは、あたしの知らないナオがいたから。


普段怒らないナオが、怒ってあたしはどうしていいかわからなかった。


「‥‥う、嘘だろ?マナ。‥‥アイツじゃなくて、俺が‥‥怖かったの?」


アイツってカナタの事だよね、もしかしなくても。


最後の一言は、すごく小さくて消え入りそうな声だった。


その一言に、あたしはドキッとした。


その声は、ひどく切なそうだった。


顔は、すごく傷ついてた。


あたしは、段々止まって来た涙に安心感を覚えながらも小さく頷いた。


そうだよ、ナオが‥‥怖かったんだよ


「ハハッ‥‥‥ハハッ‥‥‥そか」


右手で顔を隠しながら、自嘲するように笑うナオ。


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