シスコン総長VS溺愛総長!? 1R
この髪色だけは、初めて何も文句を言わなかった。


ただ、優しく笑って似合ってる、そう言ってくれたんだ。


ナオとのことを思い出して、ズキリと胸が痛んだ。


優しい笑顔に罪悪感が募る。


あの頃の2人の笑顔に不安が募る。


もう‥‥‥あんなふうに笑えないの?


さっきケータイで時間を確認しようとしたとき、あの時のようなたくさんの着信とメールがあたしに後悔の念を抱かせた。


電源が入っていると電話が入ったとき必ず出てしまう。


それに、気になって仕方がない。


だから、あえて電源は切っておいたのだ。


あたしの思ったとおり、届いていたメールと繋がらなかった電話。


自然とケータイを掴む手に力が入る。


< 210 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop