生き続ける-消えない思い出-


私が小さく謝った時、


「せーりーざーわぁああ!!」

1階からドリブルの音が何重にも重なって聞こえる中、一際目立つ、聞き覚えのある台詞。

どうやら、今日はいつに増してもお怒りのようだ。


先輩は思い出したように

「あ、そういや今練習中だったっけな」

と他人事のように言ったが、その言い草とは裏腹に、ボールを両手に今すぐにでも駆け出しそうな勢いだった。

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