生き続ける-消えない思い出-


しかし、

私があまりに沈んでいた様に見えたのか。

私に背を向けここから立ち去ろうとしていた登稀先輩が、チラリと視線を送ってきた。


「悪い、ちょっときつかったな」


「え…」


「その、ここ集中しにくい所だと思うけど、撮る時の気持ちって大切だと思うから」



それだけ言うと先輩は、怒りの顧問のいる1階へと、風のように駆けていった。

< 165 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop