生き続ける-消えない思い出-
「お前に言いたいことがあって来た、登稀」
ぴくっと反応したそいつは、ゆっくりと答える。
「よお、蒼」
どこか遠慮しがちに笑うその顔。あの日から俺に向けられている顔。
俺の言葉も待たずに、そいつはおもむろに喋りだした。
「久しぶりだな。学校ですれ違っても声かけろよなー全く。そういえばお前写真部入ったんだって?兄さんから聞いたよ、お前が────」
「傷つけんなよ」
相手の言葉を遮って、俺は強くそう言った。
「お願いだから、水野を傷つけんな……」
次第に震え声になってきているのが自分でもわかった。