生き続ける-消えない思い出-
いと…こ───────?
「意外だった?」
私の顔から心情を読み取ったのだろうか。
「は、はい…まあ…」
思えば、今まで何度も蒼と登稀先輩が重なって見えたことがあった。
あれは、やっぱり気のせいなんかじゃなかったんだ。二人には、同じ血がかよってる…
でもまさか、従兄弟だったなんて。
「こんだけ俺とあいつとの関わりがあって、関係が何もないっていうのはさすがに変だと思っただろ?別に秘密にしてることでもないし、梓にも教えとこうと思って─────で」
先輩は柵から身体を離し、私の顔をずいっと覗き込んだ。
反射的に、頬が熱くなったのが自分でわかった。
「蒼に、なんか言われてたんだろ?」