生き続ける-消えない思い出-
申し訳ないような気もするけど、私は初日に蒼に言われたことを再び思い出しながら言う。
「……バスケ部には近づくな、って言われました。だけど」
「だけど?」
「私が約束を破ってここに来たことを知ったとき、蒼…すごく自分を責めてたみたいで…」
そう、確かにあの日、蒼は声を荒げるくらいとても悲しそうだった。
その理由が分からない自分が、今でももどかしい。
「あいつ───────」
束の間呆然としていた先輩は、その後、独り言のように呟いた。
「ほんっと…不器用だよな。俺たちのために…」
笑っていたけれど、今にも泣きそうなその声に、私は声をかけることもできなかった。