生き続ける-消えない思い出-
「梓、ちょっとこっち来てみ」
いつの間にか、ラベンダーの近くにしゃがんでいた先輩がちょいちょいと手で招いた。
私は足早に駆け寄り、同じようにしゃがんだ。
こんなにたくさんのラベンダーをこんなに近くで見るなんて生まれて初めてで、そっと触れては風にのって淡い香りが漂う。
とても心地が良かった
一瞬でこの場所が好きになった気がした
「俺さ」
私は口角をあげたまま登稀先輩のほうを向く。