生き続ける-消えない思い出-
「そこで、だ!」
左肘はもたれかかったまま、右腕を高く上に挙げ、人差し指をぴんと立てた。
えー…と
部長…
腕伸ばす方向間違えてるのでは…?
「そういう時ってフツー前に腕伸ばすんじゃね?」
さっきまでずっと黙っていた蒼が、私の言いたかったことをさらっと言ってくれた。
さすが先輩にもタメ口の1年…!
部長はハッとしたようで、慌てて上に挙げていた右腕を前に降ろした。
こほん、という、絶対わざとだろうと思われる咳払いをした後、部長は言った。
「お前らにもチャンスができるように、俺や2年生でも難しいテーマを校長にお願いした」