生き続ける-消えない思い出-
戸惑う単独
中庭に出ると、教室にいたときよりもさらに生徒達の部活動中の声が聞こえる。
私は先に廊下に出て、蒼が教室から出てくるのを待っていた。
すると蒼がドアを半分開け、顔だけ覗かせて言った。
「わりーけど、先に行ってて。ほんとすぐ行くから」
私はなんの疑問も持たず、蒼の言うとおり先に中庭に行くことにした。
部長とちょっと話すんだろうと思った。
「おまたせー」
花が散り、若葉もなく、ただ薄茶と黄色赤が合わさった桜の木を眺めていると、背後から蒼の声がした。