生き続ける-消えない思い出-
黙って歩く蒼の背中を見つめながら、思った。
…心配なら一緒にくればいいのに。
よく一緒にいることで、間違えられることが多いけれど、私は決して、蒼が好きだとかそういう恋愛感情は、ない。
蒼もきっとないと思う。
私にとって蒼はすごく仲の良い、男友達なのだ。
蒼が見えなくなった後、私は呟いた。
「…さて、どこに行きましょうか。梓」
私は首にぶら下げてあるカメラを持ち上げ、再び歩き出した。