生き続ける-消えない思い出-
ぼーっと歩きながら、横に並列に並べられている写真を眺めていた。
その時、さっきまで坦々と進んでいた私の足が、止まった。
そして、何かに吸い寄せられるように、ゆっくりとその場所に近づいた。
作品名は、『この世界』。
どこの国かは分からなかったけれど、ボロボロの布切れを着た、決して裕福とは見て思えない黒人の子供達。
肌とは対照的な真っ白い歯を出して、こっちに向かって笑っていた。
瞬間、私はその写真がぼやけて上手く見えなくなった。
…涙だった。