生き続ける-消えない思い出-
数段しかない階段は、すぐに登りきった。
そこには、体育で使うマット、平均台、跳び箱など、数多くの体育器具がひっそりと眠っていた。
「そういえば、2階来たの初めてだっけ…」
奥のほうまで広がるこの薄暗い空間の中、一人で呟く。
なんだか、少し怖くなった。
別に幽霊がいるわけでもないのに、孤独感にみまわれる。
自分でここに来たのに。
足が固まって動けないでいると、私の視界に、一筋の明るい光が見えた。