生き続ける-消えない思い出-


“せりざわ”はさっきまで黙っていた口を、一気に緩めて笑った。


「ははっ、そんなこと言われたの初めてなんだけど」



彼の初めての笑顔。

その微笑みは、秋の太陽で照らされたこの2階が、さらに優しく包み込まれたような感覚だった。




ド、キ



私の胸のどこかで、一瞬、何かの高鳴りがする。


< 94 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop