tears love
二人の秘密。
「好きだよ、梨里。」
シュウは名残惜しそうに私にそういった。
「うん。」そんなの知ってるよ。
抱きしめる腕が強くなる。
もう少しだけ・・・そう思ったが、そんなの無理。
しばらくそのまま玄関にいたが、終わりの合図がだされた。彼はいつもの様に私の頬に軽く触れるだけのキスをすると、バタン!と勢いよくドアを閉めて彼女の元へ向かった。
何故か涙があふれてきた。
私はね、あなたの事が大好き。だから「好きだよ」
って言われて嬉しい。素直に喜びたいよ。
だけど、あなたと私はイケない恋をしてるの。
要するに叶わない恋ってやつ。
だからそんな事言わないで。悲しくなっちゃうから
この恋が叶うことは絶対にないのに
そうわかっているのに、期待しちゃうでしょ。
君はズルいよ。でもそんな君がムカつくぐらい好きだよ。