小指に繋がる一本の糸
『る…「シッ…」
水道の陰…
知夏の耳にかかる琉依の息
なんか…しんどそぅ…
琉依…大丈夫なん?
声にならんけど…
『る…「みっけたで」
――――――っ!!
「来い」
腕を引っ張られる知夏
『琉依っ…』
「はぁ………はぁ………」
「来い!!」
「わかってるって…
そんな…大声出さんでえぇやろ…」
しんどそぅ…
「逃げ回ったうえに仮病使うんか?
往生際の悪いことするな!!」
仮病?
これのどこが仮病なん?
「うるさいし…」
「大人の人にむかってその言葉遣いはなんやねん!!」
警備員は琉依にむかって手をあげた