小指に繋がる一本の糸

信じられへん人間







「は…?」



『ゥチの親なぁ
借金のことで毎日ケンカしてさぁ
毎回ため息つく知夏に暴力ふるっててん
我慢出来へんくなってさぁ
兄ちゃんにケンカ教わってん
今は兄ちゃんより強いで』



「ふぅん…花野…今は…」
『うん、兄ちゃんと施設』
「そっか…ぁ…」



『大丈夫?落ち着いた?』

「だいぶまし…」



『体、どぅしたん?』

「睡眠薬の影響…?」
『睡眠薬っ?!』
「ん…でももぅ飲まんから」
『ほんま??』
「うん」
『よかった…体力、戻してな』
「おぅ」




この琉依の言葉が

知夏の気持ちにどんな影響を及ぼすんか

この時はまだ知らんかった









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