小指に繋がる一本の糸




――――――次の日



♪〜

『目覚ましっ』

ケータイのアラームを止めて起き上がる




朝やぁ…

『…痛っ』


手、ケガしててんや




「ん…」

『琉依、起きてぇ』



「…はよぅ」

『おはよぅ』




――――――コン、コン

『はぁい』



「知夏ちゃん、話があるねん」

『知夏に?』



パジャマのまま下に降りる




『なんですか?』

「あのな、俺、この家しばらく出ていくことにしてん」
『えっ?!』
「やっぱり暴力の引き金引いてたん酒やと思うねん
だから、酒、やめれるようになるまで
籍はいれたままで」
『そうですか
禁酒、頑張って下さい♪』
『それで…なんやけど』
『はい?』
『施設にはこっちから連絡入れるから、ここに住んでくれへん?』
『えぇっ?!』
「俺が戻ってくるまで
その先ずっとおってくれてもいい
苗字変えたりしんでいいから、琉依達と一緒に住んでくれへんかな?」
『またなんで…』
『あたしが働きに出るから…心配で…しずくもまだ03年やし』
「お願いします」


『…あたしは…いいですけど…』
「『ほんまっ?!』」

『要はしずくちゃんの面倒見るのと、家事引き受ければいいんですよね?』
『まぁ、そぉゆぅことかな』
『別にそれくらいならしますけど…経済的に大変じゃないですか?』
「それは気にしんといて
俺からも養育費とかは払うから」
『少しでも役に立てるなら』
『「ありがとう知夏ちゃん」』



『そのかわり、もしすこしでもきつくなるようなら、すぐに言って下さい
施設から毎日通いますから』

「わかった」




そんなこんなで…



一緒に住むことになってしまった…





< 36 / 105 >

この作品をシェア

pagetop