小指に繋がる一本の糸
『琉依っ』
「なにっ?!」
『お母さんって呼んでいいんやって』
「…ふぅん…て…知夏、なに泣いてるん!!」
『お母さんにいい思い出ないから…なんか…これから思い出作れることに感動して…』
「よかったな」
琉依は知夏の頭をくしゃくしゃしてくれた
「知夏」
『ん?』
「明日からギルの散歩俺が行く」
『俺が、なん?知夏は行ったらあかん?』
「いいけど…01緒にくる?」
『行くっ♪』
「もぉちょいゆっくり寝かしたくてゆったのに」
『琉依と散歩いけるんなら跳び起きるってぇ』
「そっか」
琉依はいつもパソコンでブログ更新かゲームやってる
自分から何かやるって言うのはめずらしい
どうしたんやろ…
『たっだいまぁ♪』
『しぃちゃんおかえりぃ』
『ちぃちゃんのコトぉ姉ちゃんて呼んでいい?』
『え?別にいいけど』
『じゃあお姉ちゃんもしずくって呼んでな』
『うん、わかった』
姉妹みたい
なんかいいなぁ
妹出来たみたいで
『兄ちゃん、算数教えて』
「ん?どこ?」
『かけ算のひっ算』
「俺かけ算は暗算でやるねんけどなぁ」
笑いながら教えてる琉依が
愛おしかった
家族ができて嬉しかった