小指に繋がる一本の糸
なんで知夏は前に進まんのやろ?
未だに侑也のこと
引きずってんのかなぁ
琉依のこと好きって気持ち
毎日どんどん募ってくのに
心の片隅にまだ侑也がおる気がする
忘れんとあかんってことわかってるけど
気持ちって思い通りにならん
「シケた背中」
後ろから聞こえた声
『琉依ぃ』
「部活は?」
『今終わったぁ』
「太田と向井は?」
『夏稀は聞かへんねんなぁ』
「うっせ」
『なんか今日は先帰れって言われた
それに夏稀引っ越したから元々別やし
一人っておもんないわぁ』
「てゆーかこのままやと一緒に帰ることになるよな」
『嫌?』
「別に俺はいいけど……」
『なに?』
「……侑也見てるで」
びっくりした
琉依も気にしてくれてたんや