小指に繋がる一本の糸
リビングに入って
侑也の手紙を開く
「知夏へ
こんな風に別れがくるって思ってへんかった。
俺あの日、すごいひどいことしたよな。
知夏は俺をずっと好きでおってくれたのに、俺はあの日、知夏を突き放した。
最低なことしたって思ってる。
琉依と夏稀に言われて、俺は何をしたんやろうって思った。
好きな女泣かせた。
それだけでも俺にとっては大変なことで、ずっと悔やんでた。
俺が知夏を泣かしたって事実を受け入れたくなかった。
琉依に俺の気持ち言ったら、知夏を傷つけたって事実、思い知った。
俺より琉依の方が知夏を幸せにしてあげれるってこと思い知った。
悔しかった。
俺じゃあかんってことわかって、すげぇ悔しかった。
もぅ無理やってわかって…
俺が知夏を幸せにすんのは不可能やってわかって、トラックの前に飛び出した。
けど、死なれへんかった。
死にたかった。
病院で藍と唯が味方してくれたけど、01番言ってることが当たってたのは夏稀やった。
もしこれから、俺がどんなに頑張っても、多分琉依には勝たれへん。
もっかい生まれ変わったら、今度はずっと知夏のそばにおりたいなぁ。
最後の愛のしるしとして、この手紙を遺します。
今までありがとう
また…
侑也」
『いやぁあ…!!』
泣き叫んだ
声が枯れてしまうくらいに
好きなんて気持ち
なかったのに
あたしは琉依だけを見てた
侑也なんて見てなかった
でも
涙は次々溢れた