小指に繋がる一本の糸
病院に着くと
中から看護師さんが出てきた
『お願いします…』
ゴホッ……ゴホッ……
あれ…
また…咳…
治ってたのに…
ゴホッ………ゴホッ…ゴホッ…ゴホッ…
「先生、この娘も診たって」
『あたしはっ…ゴホッ…』
『こちらへ』
診察室に連れられ
先生が知夏を診る
きもぃ…
この先生…
ちょっとハゲた
白髪のおじさん…
ゴホッ…
『琉依くんっ!!』
「嫌だっ」
隣の診察室から看護師さんと琉依の声が聞こえた
01瞬でわかった
琉依は点滴するってゆわれたんや
『…ゴホッ…すみません…ちょっと』
――――――ガラガラ
『琉依くんっ
お願いやって動かんとって』
「嫌や!!」
ほらな?
点滴やろ?
琉依は針が嫌いで
注射も点滴も
押さえ付けるか
気失わせんとできへん
『琉依っ!…ゴホッ』
「あっ……知夏…」
『ちゃんと点滴受けなさい』
「…嫌」
はぁ…
『琉依、もう13歳やねんから…ゴホッ…点滴くらい出来て当たり前やねんで?
ゴホッゴホッ…琉依は別に怖いわけじゃないねんから、大丈夫やろ?
ほら』
「ぅ……」
琉依は無言で腕を差し出した
それにしても…
琉依、元気やな…
泣きそうな顔
ハハッ
可愛いなぁ
そんなに刺されんの嫌かな?
琉依やからやな