小指に繋がる一本の糸








お母さんに施設に連絡してもらって
帰った


琉依はパパさんが家に連れて帰ってくれた



『はぁ…』

「どしたん?ため息なんかついちゃって
らしくないやん」

『兄ちゃん』
「琉依ん家にいてもよかったんじゃねぇの?」
『家族水入らずやのにあたしが入ったらあかんやろ』
「琉依的には知夏がいたほうがよかったんじゃん?」
『そうかも
でもお母さんにもパパさんにも家族水入らずってゆぅの…感じさせたいやん
…パパさんには、お母さんとか琉依とかしずくの大切さ、知ってほしい』
「知夏もいい経験したやん
行ってよかった?」
『んー
寝る時隣に誰もおらんのは悲しいな
帰って来て思った
琉依は隣で寝てたから』

「うわー
エッチやなぁ」
『変な意味じゃないし
隣に人の体温あると落ち着くやん』
「ズバリ赤ちゃんの発想やな」
『いいねん…』


知夏は眠くなって寝ていた


いつの間にか







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