擬人化World!!
擬人化中!!
テレビの場合(完)
「うぅー……今日も疲れた」
鉛のような身体で帰宅する。
玄関の扉に手を掛けるが、違和感を覚えて一歩下がった。
「違う……」
玄関の扉が、どう見ても違う。自分の家は、こんなメルヘンチックな白地にピンクフリルの扉じゃなかったはずだ。
どう間違えても人目にさらされる玄関の扉を、こんな派手なものにはしない。
――まぁ、いっか。家はいつも通りだし。
深く考えずに、扉を開けて中に入った。
――うん。部屋はいつも通りね。
洗面所に行って手を洗う。自室に向かって楽な部屋着に着替えると、一つ大きく伸びをした。
「テレビでも見よっと」
リビングに行って、テーブルからリモコンを取る。
電源ボタンに人差し指を添えて、テレビに向ける――。
「なあぁぁぁああぁぁ?!」
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