擬人化World!!



 よくよく少年を見てみると、両手でパネルを持っていて、そこに恋愛ドラマが映っていた。
 パネルの右上に6の数字。

「あ、あなた……だれ?」

「テレビだよ」

 ――テレビだよ
 ――テレビだよ
 ――テレビだよ

「……どういうことですか」

「だから!テレビだってば!三年前にご主人様に買ってもらったテレビ!映りが悪いとすぐにぶつんだから」

「あ……ごめん……」

 すねたような顔で言われて、思わず謝った。

 ――たしかに、テレビはよく叩いてたからなぁ……。

「ご主人様、なに見るの?」

「え、えと……とりあえずドラマで」

「わかった」

 テレビ……君が口を閉じたから、仕方なくテレビの前に座る。

「もう少し離れないと、目が悪くなるよ」

「あ、うん」

 後ろに下がって、テレビ君を見る。


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