雨のち曇り



「ねぇ、泉。遊ばれてた」



「え?」



「由香ちゃんと、やっぱり付き合っていた。付き合ってないなんて嘘だったんだよ」



「どうして?」



「私、信じてたのに…。やっぱり私って騙されやすいんだね」



なんか自分で言って泣きそうになった。



惨めだなーって思った。



「愛…。愛は悪くない。元樹が悪いんだよ。由香ちゃんと愛は被害者なんだよ」



「うん」



「だから、愛が気を負うことはない」




"気を負うことはない"

この言葉には何回か助けられた。


最初は智也に。







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