雨のち曇り
────────翌日
今日は最終日。
午前中だけ勉強して帰る。
「よーし!お前らバスに乗れー」
先生の言葉で我先にと、みんな乗り込む。
えーどこに座ろう?
そう思っていたら、手を引っ張られた。
「愛は俺の隣ね」
そう言って笑う幸樹が愛しかった。
「愛、本当にごめんね」
「いいよ」
だって幸樹が女たらしなのは前から知っている。
「でも本当に俺でいいの?」
そう心配そうに聞いてくる。
「いいんだってば!私は幸樹がいいの」
「俺も」
トンネルに入ったときキスをした。
でも今までとは違う大人のキス。
私は初めてのキスに戸惑った。
「愛、ずっと一緒にいてね」
「うん」