Distance
「・・あたし、どうしたらいいんだろう」
会場の窓から、ため息をついて下を見た。
「―・・ぁ」
もう、準備を終えたのか、カバンを手に歩いている裕香が見えた。
“話をしなきゃ”
咄嗟に、そう思ったあたしはカバンを持って階段をかけおりた。
「―・・裕香!」
裕香は立ち止まって、あたしを振り返った。
「麻耶・・」
「帰るの?」
「・・うん」
「一緒に、帰らない?」
「・・いいよ」
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