Distance



涙を流したのは、何年ぶりだろう・・?




喧嘩したって、

怒られたって、

めったに泣いたりしないあたしが・・


こんなに泣けるなんて、知らなかった。


誰かを思って、こんなに泣くなんて・・・





大谷の居なくなった教室で、


声にならない声を上げて



あたしは泣いた。








涙が乾いて、精一杯の笑顔でおばさんに手渡した感想文とクラス名簿には・・






複雑な円を描いたシミが、

無数に広がっていた。



















< 55 / 72 >

この作品をシェア

pagetop