飛べない蝶


―キーンコーンカーンコーン―…

「ねー桜!」
「ん?どうした?」
「あのさー今日あたしと瑞季で
カラオケ行くんだけど桜も来るしょ?」
と言ってきたのは流奈だった。

瑞季と流奈は高校入学したときの
座席が近かったのがきっかけに
1年生からずっと仲良しだ。
よく3人で街で遊んでいる。

「あーごめん、今日はパス
今日バイトだからさ」
「あーまじか、わかったよ」
「ごめんね!明日とかにまた行こう!」
「うん!!」
「バイバイ!」
「気をつけてねー」

流奈と瑞季に手を振り
教室を出ようとした。

すると…
「立花ーお前もう3年なんだから
少しは授業ちゃんと聞けよ!!」
と担任の高橋がやってきた。
(うわっめんどくさ…)
担任に対する面倒くささを圧し殺し
「だって眠いんだもん」
「だってだってってこれで
進学出来なくても知らないからな」
「いいよーだ」
「まぁいい。気をつけて帰れよ」
担任の最後の言葉をシカトして
あたしは騒がしい教室を出た。

こうして学校がいつものように
終わり街中へと繰り出す。

そしてあたしは今から
高校生というレッテルを剥がすのだ。
なんせあたしのバイトは
コンビニや居酒屋ではない。

愛人というアルバイトだから。
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