好き・・・大好き・・・


「あ、あの・・・」

そこに立っていたのは・・・今朝の男の人だった。
どうしよう、気まずい・・・
私こっからどいたほうがいいのかな・・・

「隣・・・大丈夫か・・・?」

「えっ!?」

そう言うと彼は私の横に座った。
確かにここの屋上は狭いから座るところは限られる。
でも、隣って・・・

彼は私の隣に方がくっつきそうなぐらいの距離に座った。
この距離感はさすがにやめてほしい・・・

「あの・・・1年生よね?」

「うん。」

彼はパンにかぶりつきながら私の質問に答える。
やっぱり1年生か・・・
でも、すごく大人って感じ・・・

「な・・・名前は・・・?」

「喜上輝。」

輝・・・以外にあっさり名乗ったな・・・

「お前は?」

「わ、私?私は相澤舞恋。」

すると彼は今までと違う驚いた顔をした。

「舞恋ってすげえ名前だな!」

私も喜上がこんな顔するんだなと驚いた。

「よく言われるよ・・・」

彼のパンはもうとっくになくなっていて私の弁当箱はまだ満帆に入っている。
あっ、そうだ。

「喜上って何部なの?」

「喜上じゃなくて輝でいいって。俺は野球部。坊主だからわかるだろ。」

「てっきりバスケ部かと・・・」

「んなわけないじゃん。野球一途だし。」

輝はニコッと笑った。意外な一面。
話していて楽しいけどこれを恋につなげちゃいけないんだ。


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