好き・・・大好き・・・
――――――――・・・
「ありがとうございましたぁぁ・・・」
やっと練習は終了・・・私もなぜか疲れた。
私は先にバス停に向かった。
バスの時間を見てもやはりこの時間帯はあと1本しかない。
このままじゃ毎日一緒に帰ることになっちゃう・・・
「舞恋!」
走ってくる輝に少しドキっとした。
「そ、そんなはやく来なくてもよかったのに。」
「もうバスがきちまったかと思って。」
そう言いながらニコッと笑う輝がかわいい。
でも、なんかこうして二人っきりでいるとなんだかドキドキする・・・
でも、好きじゃない・・・
そう思わないと・・・
向こうの方からバスが来て私と輝は乗り込んだ。
私が座ると輝は当たり前のように私の隣に座ってきた。
すると鞄の中からイヤホンを取り出した。
「輝はいつも何の曲聴いたりするの?」
「特定の曲はないけど・・・聞いてみるか?」
片方のイヤホンを私に渡してきた。こんな恋人同士でもないのに・・・
変にドキドキしてしまう・・・
「う、うん・・・」
私は一応イヤホンを耳に宛てた。
男性のラブソング・・・って輝がこんなの聞くの・・・以外。
「こんなの聴いたりするんだね。」
「うん。」
輝はこの曲に集中するかのようにいきなり黙り込んだ。
切ない曲だけどいい曲・・・
私、いつもノリノリの曲しか聞かないから、こんな曲もいいかもしれない。
「ねぇ、ひか・・・る・・・?」
気づくと輝はもう寝ていた。てか、寝るのはやっ・・・
まだバスに乗ったばかりだったのに。
私はそのまま曲をずっと聞いていた。