好き・・・大好き・・・
キーンコーン、カーンコーン・・・
ふぅ、やっと授業が終わった。
とは言っても部活だ。急いで行かないと。
私は荷物を持って旧校舎の更衣室に向かった。
「舞恋!」
教室から出ると後ろから輝の声が聞こえた。
「一緒に行こうぜ。」
「う、うん。」
輝は私の隣に並んで歩き出した。周りから見るとカップルみたいに思われちゃうよ・・・
って、こんなぶさいくな私が輝の彼女なんて思われるわけないか。
そ、そんなの自分が一番にわかってるし!
「今日さ、練習メニューがさ珍しく走るだけらしいんだよな。俺いままでボールを使わないで練習するの初めてだよ。でも、ひたすら走るだけだからきついだろうな。」
「そ、そうなんだ!確かに走り続けるのはきついね。」
「舞恋は中学の時何か部活してたのか?」
「バレー部してたよ。バレーもずっと坂ダッシュとかしてたし冬は毎回3キロ走ってたよ。」
「それはきついな。」
そうやって喋っているうちに更衣室の前に着いた。
「じゃ、また後でね。」
「おう。」
私はドアを開けた。
そこにはもう未来さんがいた。
「仲良く二人で一緒に帰ったりしてるんだね。」
未来さんはそう言いながら私に近づいてきた。
その顔はすごく怖かった。
「えっ・・・あの・・・」
「隠しても無駄よ。話、ちゃぁんと耳に入ってきてるんだから。」
私と一緒で地獄耳なんだ。でも、聞かれちゃってたのは確かだし・・・
でも、ホントのこと言わなきゃ。
「帰る方向一緒だし、一緒に帰ろって言われたし、未来ちゃんが一緒に帰りたいって思うなら誘ったらいいじゃん。」
すると未来さんはさらに怖い顔をした。