好き・・・大好き・・・

キーンコーン、カーンコーン・・・

ふぅ、やっと授業が終わった。
とは言っても部活だ。急いで行かないと。

私は荷物を持って旧校舎の更衣室に向かった。

「舞恋!」

教室から出ると後ろから輝の声が聞こえた。

「一緒に行こうぜ。」

「う、うん。」

輝は私の隣に並んで歩き出した。周りから見るとカップルみたいに思われちゃうよ・・・
って、こんなぶさいくな私が輝の彼女なんて思われるわけないか。

そ、そんなの自分が一番にわかってるし!

「今日さ、練習メニューがさ珍しく走るだけらしいんだよな。俺いままでボールを使わないで練習するの初めてだよ。でも、ひたすら走るだけだからきついだろうな。」

「そ、そうなんだ!確かに走り続けるのはきついね。」

「舞恋は中学の時何か部活してたのか?」

「バレー部してたよ。バレーもずっと坂ダッシュとかしてたし冬は毎回3キロ走ってたよ。」

「それはきついな。」

そうやって喋っているうちに更衣室の前に着いた。

「じゃ、また後でね。」

「おう。」

私はドアを開けた。
そこにはもう未来さんがいた。

「仲良く二人で一緒に帰ったりしてるんだね。」

未来さんはそう言いながら私に近づいてきた。
その顔はすごく怖かった。

「えっ・・・あの・・・」

「隠しても無駄よ。話、ちゃぁんと耳に入ってきてるんだから。」

私と一緒で地獄耳なんだ。でも、聞かれちゃってたのは確かだし・・・
でも、ホントのこと言わなきゃ。

「帰る方向一緒だし、一緒に帰ろって言われたし、未来ちゃんが一緒に帰りたいって思うなら誘ったらいいじゃん。」

すると未来さんはさらに怖い顔をした。

< 37 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop