好き・・・大好き・・・
「はぁ?だから何?応援してくれるって行ったよね?あの時うんって行ったよね?あれは嘘?」
「でも、自分で努力するのも大事だと思うよ。」
「ま、いい。全部あんたのこと男子に言いふらしてやる。」
何をいうのかわからないけど私は未来さんを無視して着替え始めた。
着替え終わっている未来さんは「ドンッ!」という大きな音を立てながらドアを閉めて先に出て行ってしまった。
でも、未来さんは間違っている。ほんとに輝のことが好きならば自分なりに努力してなんぼなはず。でも、未来さんは何か間違っている。
私はストップウォッチを持ってグランドに駆けつけた。
みんなはもういて、私がちょっと来るのが遅かったみたい。
「遅れてすみません。」
「いいよ。舞恋ちゃん。今日は走るばっかりのメニューだからタイマーとかお願いね。」
「はい。」
西村先輩が私に言うと、早速みんなでランニングをしだした。
横にいた未来さんが私の耳元で囁いた。
「少しずつあんたに嫌なことをし・て・あ・げ・る!」
そう言うと未来さんはタオルの入ったガゴを持ってベンチの方に行ってしまった。
私は気にしない。どうでもいい。今は部活に集中しないと。
私はベンチにいって飲み物を作る。
もうあたりは真っ赤な夕日に染まっている。
「いーち、にー、さーん、しー・・・」
みんなが体操をしている中、私は輝を見つめていた。
輝の真剣な顔も好きだな。
無邪気に笑うところも好きだし。
あ、でも、恋愛の好きとはちがうよ・・・
でも・・・はぁ・・・
「舞恋ちゃん!」
「あ、はい。」
「いまから50m走するからタイム測ってくんない?」
「分かりました。」
私はみんなのところへ駆けつけた。