好き・・・大好き・・・

ドアを開けると、やはり未来さんの荷物はなかった。
やっぱりほんとに帰ったみたい。

私は制服に着替えた。
でも、これから私未来さんになりされちゃうんだろ。

そう思うとあんな余計なこと言わなきゃ良かったと思えてきた。

いじめ?・・・予想がつかない。やっぱり未来さんは何を考えているのかわからない。

私は更衣室を出て玄関に向かった。
もう外は真っ暗で廊下は切れかけそうな蛍光灯がちかちかと光っている。
何気に怖く思えてきて私は走っていった。

カシャン・・・――

あ、何か落とした?・・・あたりを見回しても何も落ちていない。
気のせいかな。私はまた走っていった。

――――・・・

「はぁ・・・はぁ・・・」

わ、私、ビビりすぎだよね。でも、なんとか終礼に間に合ったし、よかったけど。
先生に蛍光灯変えてもらうように言っておこう。

そう思っていると林先生が来た。

「気をつけ、礼!」

「お願いします!」

みんなが一斉に頭を下げた。私もつられて下げる。

「明日からは普通にまたボールを使うからな。明日も普通通り、以上!」

「気をつけ、礼!」

「ありがとうございましたぁ。」

私はすぐさまに先生のところに駆けつけた。

「先生!」

「ん?」

「更衣室の前の廊下なんですけど、蛍光灯切れそうなので変えておいてください。」

「おう。わかった。」

そういうと先生は帰っていった。
なんとか安心。

私は荷物を持ってバス停に向かった。


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