好き・・・大好き・・・
次の日――・・・
朝練が終わり、教室に行こうとすると教室の周りでざわざわしていた。
なんの騒ぎだ?
「おい!輝!」
龍星が近づいてきた。
「どうした?」
「今、舞恋ちゃんがやばいことになってるぞ。」
一気に血の気が引いた。いよいよ始まってしまった。
あいつの・・・吉竹のいじめが・・・
俺はそこに近づくと1組の黒板に「舞恋、出会い募集中だよ!」と書いており、したの方に電話番号も書かれていた。
そこの前に舞恋は立ち尽くしている。
そして、舞恋の席はたくさん落書きがしてあった。
「舞恋!」
俺が呼ぶと舞恋は目に涙を浮かべながらこっちを向いた。
「ひ・・・ひかるぅ・・・」
かすれた声で俺の名前を呼ぶ。
俺は教室に入り、舞恋を屋上に連れて行った。
途中で吉竹とすれ違ったが、何もお互い言わなかった。
ガチャン・・・――
屋上についてパッと舞恋の手を離した。
「舞恋?」
俺は下を向く舞恋に俺はしゃがんで覗き込んだ。
すごく我慢しているようだった。絶対辛かったよな。
「舞恋。もう我慢しなくていいから。」
「ぅん・・・」
小さな声で舞恋は返事をする。
俺は舞恋の涙を拭き取り・・・柔らかく抱きしめた。
「ひぃ・・・ひ・・・かるぅ」
「もう大丈夫だから。」
俺は何がしてやれるんだろう。舞恋のために何ができるんだ。
俺はこんなに舞恋が好きなのに何もできていない。
これからもっといじめがひどくなっていくだろう。
俺はそっと舞恋の頭を撫でた。