まだ好きです(完)
『第3レーン』

アナウンスが駿のレーンを呼んだ。

駿はその場でお辞儀をした。


駿は真剣な表情で、準備をした。


周りの人も緊張感に包まれた。


「駿、足悪いんだって?」

駿のお母さんの心配そうな声が聞こえる。


「はい、でも駿なら大丈夫です。」

信じれば…叶う



信じれば…叶う


何度も私に言い聞かせた。


「駿!!!!自分を信じて!!大丈夫!駿ならいける。自分らしく走って来い!!」


静かな会場に私の声だけが響き渡った。



やっちゃったぁ~~~~~~~


言ってしまってから我に返る。


みんな私の方をみた。


駿のお母さんもきょとんとしてる。


その時



「あったりまえだろ?大丈夫だっつのーーーー!」



駿の…声



あったかくて、安心感のある駿の声。


「雛ちゃん。ありがとね。駿、なんかやる気はいったみたい。」


「駿…。。」


駿は強い。どんなときも、頑張れる。


根性で気合でなんとかしようとする。


私とは、正反対だね。


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