まだ好きです(完)
「さあ、みんな席に着け!健康観察だ」

みんなの心がざわつく中、先生は堂々とやってきた。

「せーんせ」
「なあ。先生」
「駿は?」
「駿君、休み?」


「駿は、」

先生の顔は急に暗くなった





「土曜日から連絡が取れない」



ざわっ






先生は下を向いたまま、顔を上げようとしなかった。駿に…何かあったのか?

私はこのとき初めて「不安」になった。足が震えた。何・・・?よく分からなかった。

先生の言葉。生徒のざわめき。すべて、すべて、私を不安にさせた。

先生は、その後、なにか言ったが、もう私の耳には入ってこなかった。状況がつかめない。

みんなは私の顔を不安そうに見つめるだけだった。
< 113 / 202 >

この作品をシェア

pagetop