まだ好きです(完)
「なんで…駿は海にはいったの?」

理由なんて聞いたって答えてくれるわけがない。


ゴーグルのなかに、涙がたまって、前がみえない。


私に原因があったなら、謝る。だから。だから帰ってきてよ。


「雛ちゃん!!!!!」


誰?私の腕を掴むのは…


「日向ちゃん。」

「もう一週間以上も見つからない人が、まだこの海にいるとは思えない。」

「でも…」


「見つからないって事は、もう違う誰かが助けてくれたって事もある。」

「…うん」


「そうなったことを祈ろう。」

「うん」


いつのまにか、ナンパした男等は消えていた。


今年の海は、いつもより冷たかった。
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