まだ好きです(完)
『続いてのニュースをお伝えします。先週8月4日。市内の海で行方不明になった木名瀬駿。この顔を見つけたら、警察へ。』


ニュースに写った、駿の顔。この顔は先週の陸上の大会の優勝旗をもった駿の最高の顔だった。


私は、アイスをほおばりながら、テレビのチャンネルを変えた。


バラエティ番組なんて、見る気がしない。

プチッ…


テレビを消すと、シーンと一気に静まり返った。


ミーンミンミンミンミン…


ミーンミンミンミンミン…


「雛ー。宿題はおわったのー?」


お母さんが洗濯物を抱えながら、雛に問いかけた。


「まだ…」

「来週から学校よ。」

「わかってるーーーーって。」


来週から学校かぁ。



駿のいない学校はつまんない。


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