まだ好きです(完)
「雛。」


雛に告白する。



今すぐ。はたく。はやく。はやく。



信じてくれた、彼女に。たったひとつの”愛の言葉”を言いたい。



彼女に会いたい。彼女の顔が見たい。


記憶をなくしても、俺は俺だった。好きな人の趣味なんてそんな感嘆には変わんねーな。



図書室…音楽室…理科室…あと少しで、俺等の教室。



はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。



あと少し。あと少し。


「通してください!!!!!」


つーっと寒気は俺の背中を通った。


なんだ?


「通してください!!!!」


「…どうしたんですか?」


「いえ。なんか、瀬羅さんが…」












は?

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